熊川ワールド

はぁ。やっとこ熊川哲也の「メイドインロンドン」が読み終わった。これまで彼を自信過剰で嫌だと思ってたけど、少しだけ好感度アップした。今月の最初に銀座でやって彼のカンパニーの展示会。誰に聞いても、すごかった。って返ってきた。やっぱり彼はすごいらしい。彼を知ってるダンサーの方も、熊川さんは絶対に妥協しない。人にも厳しい、自分にも厳しいって言っていた。私生活も充実してるみたい。。私、仕事も私生活も充実してる人ってあこがれます。
で、この本の中だと、自分は努力なんか一度もした事がないっていってる。ただ、バレエをやってきて、周りが僕を認めてくれたと・・いやぁ・・・・熊川さんのエピソード→自分はロイヤルバレエ団で王子役をやる事がほとんどなかったと言ってる。なぜかって。テクニックは自分と同じくらいで、もう見るからに王子!という方がやっていたらしい。もちろん自分だって王子やりたいし、それなりの自信も持っていたらしい。テクニックには絶対の自信があって、そればっかり評価されて。。結構つらかった。とも書いてあった。で!すごいのはこの次!熊川さんがボリショイバレエ団でゲストとして呼ばれて、王子役をやったら、ロイヤル側が、うちでも王子役をやらないか!?って言ってきたらしい。それを熊川さんは断ったんだって。なぜかって、今までこんなにも長い間ロイヤルで踊ってきて、なぜ今頃になってそんな事言い出したのか。どうして、ボリショイで踊る前に正当に評価してくれなかったのか。ということを理由に。皆さんだってらどうしますか!?私だったら断るなんて絶対できない。。熊川さんは、役とかよりも、ダンサーとしての自分のプライドみたいのを守りたかったのかと思った。でもこれって、自分に相当自信がないとできない事だし、ダンサーとしての可能性の幅を大きく広げた。ということには変わりないと思う。こんな感じで彼はものすごーい早さでプリンシパルまで昇格していくらしい。
でもう一つ驚いたのが。バレエをビジネスって考えている事。自分にとってバレエは使命、すべてに優先する生活になっている事。日本では、年間の公演数が、バレエに関わらず。とても少ない。だから、バレエを仕事とは言わないし、バレエは芸術という意識がいやがうえにも高まる。しかし、バレエが生活の一部になってる人は少ない。プロ野球と甲子園の違いで、はたして、どちらがプロフェッショナルでどちらがアマチュアなのか。どちらが芸術家として重い責任を背負っているだろうか。これ聞いて私、ドキッとした。。バレエのプロってほんとに辛いと思う。有名になればなるほど、そのプレッシャーは大きいし、観客も期待している。大怪我をしていっそうのこと辞めてしまいたい。って思うことも多くあると思う。こんな気持ちで芸術家として務まるのか!?って思う人もいるかも。私も最初はそう思った。芸術家は営利を目的にしてはいけないのだ。とか。。でも、それって、バレエができたときの大金持ちの娯楽の考え方で、時代はどんどん変わっていくし、今だとそれって、どんどん芸術家をダメにしていってると思う。日本ではとくにそう。芸術に対する意識が薄いのも、バレエとかが定着しない大きな原因だと思うけど。芸術家はやっぱりプロフェッショナルでなければならないし、観に来る人が、芸術家。ばっかりじゃ、これも意味ないと思う。すべてのひとが観て、受け入れられて、はじめてその人が芸術家として評価されるのでないかと思った。やはり、芸術は人になにかを与えるし、たとえそれがどんな形であっても、芸術家は人に共感されたり、感動させたり、それなりの責任というものがあると思う。私の尊敬する先生にも、バレエを踊っていて、好き勝手に動くんじゃなくて、自分が動かしてる手だったり、足だったりに、いつも責任を持ちなさい。って言う。それって結構重くて、それを考えると、雰囲気で足を上げたり、できなくなる・・これって日常でも使えると思う。これができて、自分というダンサーが確立していくようにも思う。芸術家って大変だなぁと思った。
長くなっちゃったけど。海外のダンサーの月の給料って、コールドで20〜30万とかで、熊川クラスになると、100万くらいらしいよ〜。。日本もこうなるといいね。で、またマチューガニオの話。雑誌に、絵の中に出てくる王子そのものって書いてありました。今日のオーラとか、華。の話じゃないけど、彼は立っただけでオーラがある。。なんか、この人にも私生活があるんだろうけど、ほんとに私生活とか見えないです。。なんで目にとまるかって、やっぱりあの容姿とテクニック、この世の人間ではないようなしぐさ、美しさ。あいにく今は怪我で休んでるそうです。。やっぱり普通の人ですね・・さらにパワーアップして帰ってくることだと思います。ヤンキースの松井のように。
もう一つ。今日から読み始めました。斉藤薫(著)「美女の教科書1」です。。また、ブスなどの・・話がはいってます。他はまだ読み中。草刈民代さんのもまだ読みきってな〜いです。。